店舗デザインで顧客を呼び込める美容室を作る・店舗デザインの準備
美容室を開業するにあたり、重要な店舗デザインについて解説しています。顧客のニーズを理解してデザインして店舗なら、必ず集客を成功させられます。
美容室が属する美容業界は、ほかの業種にもまして店舗デザインが非常に重要な業界です。美容室を訪れる顧客は、カットやパーマの技術同様、いや、それ以上に雰囲気を重視して美容室を選んでいます。いったいなぜでしょうか?この記事では、美容室の店舗デザインがいかに重要か解説しています。店舗デザインを業者に依頼する前にやらなければならないことについてもあわせて解説していますので、今後、美容室の開業を考えている方は、ぜひ読んでみてください。
美容室の開業にあたり、なぜ店舗デザインが重要なのか
美容室では、カットなどのサービスが提供されています。このサービスのクオリティはもちろん重要な要素です。技術の伴わない美容師が開業している店では、顧客は「なりたい自分」にはなれないでしょう。
顧客が美容室に求めているのは、美容師の技術だけではありません。せっかくなりたい自分になりに美容室に行くわけですから、非日常的な雰囲気の中で心地よさを感じながら、なりたい自分になりたいのです。
美容室の店舗デザインは、顧客が「なりたい自分になれるのではないか?」と感じる要素です。この目的を「かなえてくれそうな感じ」を伝えるのが店舗デザインの役割なのです。
まだ店舗デザインが重要であることの理由があります。SNSです。若い女性ユーザーの多いInstagramは特に、美容室にとっては重要なマーケティングメディアになります。シェアしたくなる店舗デザインは、バズらせるために重要な戦略なのです。
店舗デザインを決めるには、まず美容室のコンセプトを定めることから始めます。コンセプトが定まっていないと、ターゲットとなる顧客層も絞り込めないので、何も始まらないのです。
店舗デザインでライバル店と差別化
美容室を出店するうえで考えなければならないライバル店の存在。ただでさえ数が多い美容室。その競争は激しいものがあります。しかし、すでにふれたように、顧客は美容室を選ぶ際に、技術とともに雰囲気を重要視しています。そのため、店舗デザインでほかのライバル店と差別化を図れれば、集客は十分に可能なのです。
美容室の店舗デザインを依頼するまでの準備
美容室の店舗デザインは、先ほどもふれたようにコンセプトが定まっていないととりかかれない作業です。そのため、まずはそのコンセプトを決めます。
コンセプトを明確にする
美容室は、ライバル店とは異なるオリジナリティで差別化を図ります。このオリジナリティの要素になるのがコンセプトです。
「こんな店にしたい」
これがまさにコンセプトですが、漠然としたコンセプトでは差別化も図れません。美容室が顧客に提供する価値、存在する理由、使命などを考えながら、新しい美容室のコンセプトを明確にしていきます。
顧客の明確化・あなたの美容室の顧客はどんな人たちですか?
独立して美容室を開く方は、きっと自由なお店作りを前に心躍っているのではないかと思います。もちろん、あなたの店ですから好みの店を作ればいいのですが、それだけでは繁盛する美容室にすることはできません。顧客はどんな人たちで、どんなニーズを持っている人たちなのかを考えて店作りをしないと、集客することすらままならないでしょう。
顧客像を絞り込むことは、美容室の店舗デザインにおいてもとても重要です。顧客像は、出店する地域に住む人たちをリサーチしないと見えてきません。コンセプトと顧客像、この2つがそろわなければ店舗デザインまで進めないので、しっかりリサーチしましょう。美容室を出店するエリアの調査で押さえなければならないのは、以下のような点です。
まず、同業者の存在です。エリアに同業者があることは問題にはなりません。ただ、距離があまりにも近い場合や、コンセプトが似通っている場合は考え直したほうがいいかもしれません。
エリアに住む人たちの属性を確認することも重要です。言い換えればターゲットとなる顧客像の確認です。どんな人たちが多く住んでいるのか確認し、彼らのニーズを満たした美容室が出せるかどうか検討してみましょう。
ショッピングセンターなどの商業施設の存在も確認します。このような地域のランドマークの存在は、その場所への人の流れがあることを意味します。最寄駅からのターゲットの動線は、出店場所選びに大きく影響する要素です。
最寄駅がターミナル駅の場合は、ほかのエリアからの集客も期待できます。駅に停まる電車の種類をチェックすると、近隣の客層とはまた異なる集客アプローチをとれるかもしれません。
予算を確保する
コンセプトが決まり、ターゲットとなる顧客が明確になったら、予算を設定します。まず、確保しなければならないのは運転資金です。新規開業の美容室がかんたんに軌道に乗せられるほどこの世界は甘くありません。少なくとも6ヶ月分程度の運転資金を準備しておく必要があります。
物件の確保
美容室を出店するエリアの調査を行い、コンセプトを基に明確化したターゲットに対してサービスを提供できると判断できたなら物件を確保します。物件を選ぶ際は「交通手段」「人通りの多い通りからの距離」「駐車場の有無」「わかりやすさ」「路面店、エレベーター利用、階段利用」などを考慮します。よい立地であるに越したことはありませんが、美容室の物件はコンセプトやターゲット顧客を考慮してフレキシブルに考え方を変えることが重要です。
顧客目線で店舗デザインを検討する
美容室は、ターゲットとなる顧客にとって有益な場所でなければなりません。顧客のニーズを満たしてくれる美容室でないと、行く意味がないからです。エリアのリサーチをして、出店を決めたからには、美容室はそのエリアになくてはならない存在なのです。その存在理由を見いだせないようなら出店すべきではありません。
美容室の店舗デザインをする際も、この考え方はとても重要です。オーナー自らの好みで店舗をデザインすることは、オリジナリティにもつながるので否定はしません。しかし、その前に顧客目線で店舗デザインを考えましょう。どんな商売でもそうですが、オーナーはどうしても主観的になりがちです。そのため、顧客目線でデザインを考えると同時に、アンケートをとるなどして、顧客のニーズを確認します。SNSのアンケート機能を利用するといいでしょう。
顧客心理やメンテナンス効率も考慮して店舗デザインを考える
美容室は、鏡が多いため、ほかの顧客と目が合ってしまったり、見せたくない場所が見えてしまったりすることがあります。これは顧客心理を考えると望ましいことではありません。美容室では、シャンプー台への移動がありますから、この動線上でも顧客心理に影響するような状況にならないよう、注意してデザインすることが重要です。
また、美容室の店舗デザインで考えなければならないのがメンテナンスのしやすさです。カットした髪の毛を掃除しやすい床材や水回りには防水加工を施すなど、働きやすさを実現することも考慮します。
まとめ
美容室の店舗デザインを依頼するまでの準備について紹介しました。繰り返しますが、店舗デザインは、美容室の運営において、非常に重要な要素です。コンセプトを明確化し、ターゲットとなる顧客のニーズを的確につかみ、デザインに落とし込んでいきましょう。